経済は地理から学べ

地球が人類に与えた「土台」とは?

  • 基本的に人類は資源があるところに集まる。例えばアイスランド地熱発電水力発電だけで電力をまかなっている。それを武器にアルミニュウムの生産(精錬に大量の電力を使用する)が輸出品目の第二位だ。逆にオーストラリアは日本の約20倍の土地があるが、国土の約60%が乾燥地帯で居住地が限られている。

なぜ奪い合いが起きるのか

  • 土地と資源は有限だから奪い合いは起きる。包蔵水力が多い地帯、また原油産地は地政学的リスクが大きい。

経済は「4つの距離」で動いている

  • 4つの距離とは「物理距離」「時間距離」「経済距離」「感覚距離」の事、近年移動、通信などの高速化により時間距離、経済距離の短縮により気軽に海外旅行、ビジネスが出来るようになっている。運搬に関しては運ぶ物の価値によって時間距離をとるか、経済距離をとるかが変わる。

日本の経済戦略は「資源の輸入国」から”先読み”できる

  • 日本はエネルギー資源、鉱物資源の少ない国。その日本のとるべき経済戦略として原油天然ガス、石炭、鉄鋼をどこから輸入するか、またその運搬路(シーレーン)が重要。輸入相手国として原油OPECから約80%、LNGはオーストラリア、マレーシア、カタール、石炭はオーストラリア、鉄鋼はオーストラリア、ブラジル、など。またシーレーンとして東南アジアが重要(日米戦争のきっかけは石油のシーレーン)これからはロシアとの関係をよくして石油、LNGの輸入を目指す。

地の利を生かした「インドのシリコンバレー

  • インドは元イギリスの植民地なので英語が広く使われている。またアメリカとの時差が12時間なのでアメリカの作業をそのまま引き継げる。またITはカースト制度に当てはまらないので頭がずば抜けていれば誰もになれる権利がある。

1枚の地図で読むロシアとヨーロッパの経済的つながり

  • オランダがロシアの最大の貿易相手国、ライン川によるEUの玄関ユーロポートにバルト海を通り石油を輸出する。運ばれた原油はオランダで精製されヨーロッパ各地へ運ばれる。

イギリスのEU加盟がアジア・太平洋に与えた「影響」

  • 1828年頃オーストラリアはイギリスの植民地となりイギリスから多くの囚人達が移民としてオーストラリアに渡るり先住民のアボリジニから土地を取り上げ農牧地を拡大させる。
  • 羊をイギリスから持ち込み牧羊地域を拡大、1851年にヴィクトリア州で金鉱が発見され中国移民たちが入ってくる。就業機会を奪われることを恐れたイギリス系白人たちが移民に対する排除政策をとりこれが後の白豪主義つながる。ちなみに1901年の移住制限法の制定から、1975年の人種差別禁止法まで約70年続く。
  • 1973年にイギリスがECに加盟しヨーロッパとの繋がりを重要視し、これによりオーストラリアは近隣のアジア・太平洋諸国との繋がりを重視するようになり、白豪主義に関する法律の改正が行われる

先進国スペインの”地の利”と低賃金

  • スペインの輸出品目は「1位自動車、2位機械類」これは先進国では珍しく、理由は第二次世界大戦後「輸入代替型工業化政策」を採用していたため、これは輸入している製品の国産化をする政策。
  • 1986年にECに加盟し自国の労働力の安さを利用し自動車産業が飛躍的に発展。
  • しかし2000年代に入り更に低賃金な東ヨーロッパがEUに加盟し、企業が拠点を東ヨーロッパに移動しその地位を失う。
  • 現在は非量産型の高品質の小型車やミニバンなどの多目的車両に生産をシフトしている。
  • あとは観光ヨーロッパナンバー1

インド、タイ、メキシコ。自動車生産体制

  • インドはイギリスから独立後、豊富な資源と国内市場を背景に輸入代替型工業化を進める。自動車はタタ財閥、スズキ、二輪はホンダ。
  • 1991年に市場経済を導入、2000年代に入り外国企業の参入が増える。(海外出資による最低投資金額規制の撤廃や100%外資の参入解禁などの規制緩和によるもの)
  • 現在インドの一人当たりGDPは2000ドル、自動車普及には2500ドル~3000ドルといわれているのでまだまだこれから普及していく。
  • タイは国民車構想を持たず、海外自動車産業を参入させる。しかし貿易赤字が拡大し「部品国産化政策」を導入。1985年のプラザ合意によって円高が進み」輸出が不振となり現地生産が加速、1989年には東南アジア最大となる。現在は日系企業の生産拠点となる。
  • メキシコは45か国以上とFTAを締結している。日本からするとメキシコで作ってアメリカに輸出すると関税がかからない。しかしアメリカ依存にも限界があるため国内の自動車購買層の増加必要。

経済大国のキーワードは「1位機械類、2位自動車」である

  • 「1位機械類、2位自動車」となっている国は先進国でアメリカ、ドイツ、日本、イギリス、など12か国もある。逆にそうでゃない先進国は、中国、フランス、インド。
  • 中国は「1位機械類、2位衣類」衣類は労働集約型産業、また綿花の生産量が世界一である。
  • フランスは航空機産業が1位。1970年にフランス、西ドイツが共同出資してできたのがエアバス社」ルノー等世界的に有名な自動車企業もあるが航空機のほうが多い(自動車は3位)またフランスは貿易赤字国。
  • インドは近年、モーターリゼーションが著しい国、中間層の自動車需要の増加を背景としている。また2014年にはモディ政権の政策「mAKE IN India」(GDPに占める製造業の割合を25%に引き上げる)を発表したこともあって、製造分野でのディーゼル需要が高まると予想している。そのためインドの輸入第1位は原油。また中東産油国との物理的距離が近く石油精製産業も盛んでインドの輸出第一位である。またインドはダイヤモンドの国でもある。